EPF(Employees Provident Fund)とは、マレーシアの従業員積立基金制度のことで、日本でいう年金制度のようなものです。退職金制度がないマレーシアの老後資金の積立を目的として1991年に従業員積立基金法により設立されました。事業者と従業員がEPFに毎月積み立てを行い、積み立てた金額の上に配当が加算されて払い戻されることになっています。マレーシア国民または永住者である従業員にはEPFの納付が義務付けられています。マレーシア国民または永住者以外の外国人労働者は、基本的にEPFの納付義務はありませんが、希望者に関しては納付することができます。
この記事ではEPFに加入するメリット・デメリットをご紹介していきます。
マレーシアの年金(EPF)に加入するメリット・デメリット
マレーシアの年金(EPF)に加入するメリット
金利が発生する
EPFに加入すると給料から毎月指定した金額(基本11%)が差し引かれ、納付されます。納付した金額は積み立てられ、1年に1度配当利回りが発生します。年度により配当率は変動しますが、ここ数年は平均4%〜6%の利回りが発生しており、最低2.5%の配当保証がついています。
節税対策になる
EPFは税控除の対象になります。使用者の税控除の対象は給与総額の19%相当まで、従業員はEPFと生命保険料とを併せた最大RM6,000までが税控除の対象になります。
マレーシアの年金(EPF)に加入するデメリット
自由に引き出しができない
積立金は自由に引き出すことはできません。
【払い戻しが可能な条件】
▼ マレーシア国民の場合
55歳またはそれ以降に本人が仕事を退職した際に払い戻されます。
▼ 外国人労働者の場合
赴任が終了し、帰国する際、書類を提出することで払い戻されます。
【途中引き出しが可能な条件】
・50歳以上の場合
・家を建てる場合
・本人または子供が進学する場合
・承認された病気や医療機器での治療が必要な場合
まとめ
EPFは従業員だけでなく、自営業者も加入することが可能です。個人的には銀行金利より配当率がいいので将来的な貯蓄を考えている方にはおすすめです。積立金はKWSP(従業員積立基金)の公式サイトやアプリケーションから確認することができます。EPFの加入方法については下記の関連記事をご確認ください。この記事が皆様のプラスに繋がる情報になれば嬉しいです。
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コメント
お疲れ様です。
貴重な記事をありがとうございます。
「(前略)納付した金額は積み立てられ、1年に1度配当利回りが発生します。年度により配当率は変動しますが、ここ数年は平均4%〜6%の利回りが発生しており、最低2.5%の配当保証がついています。」とのことですが、EPFがそのような利回りになるようにどのようにして運用しているか、記事にされると良いのではないでしょうか。
例えば、シンガポールの同様の制度であるCPFは運用で数パーセントの利回りを保証した政府関連の特別債を通じて海外投資を行っています。
では、EPFは最低運用年利2.5%を保証するのにどのような手段で運用しているのでしょうか?
例えば、マレーシアの電力会社、テナガ・ナショナルやマレーシア国内で上位の金融機関のCIMBグループ・ホールディングスの株主構成をお調べになると、何となくお分かりになると思いますよ。
また、両社の株主を見ると、巨大な投資信託運用会社の存在にもお気づきになるのではないでしょうか。その投資信託を通じて(どのファンドでなら)日本人は資金を運用できるのか?
是非、今後のブログ記事でお書き下さい。
それでは失礼いたします。
貴重なご意見ありがとうございます。
私自身が気づかなかった点を教えていただけたので、調べさせていただき、今後のブログ記事に活かさせていただきます。
ご丁寧にご指摘いただき、ありがとうございます。今後ともよろしくお願いします。
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